「国連持続可能な開発のための教育の10年」(ESDの10年)が今年からスタートした。日本でも「持続可能な開発のための教育の10年推進会議」(ESD-J)が主催する、キックオフとなるミーティングが、2005年3月6日に東京都豊島区の立教大学で開かれた。
【ESDとは「持続可能な開発のための教育=Education for Sustainable Development」の略。社会・環境・経済・文化の視点から、人類が直面する様々な課題に取り組み、公正で豊かな未来を創る「持続可能な開発」――それを実現する力を、世界各地に生きる私たちひとり一人が学び育むことを目指しています。
日本のキックオフとなるミーティングには、NPOやNGO、国際機関、政府、産業界、地域、国会議員そして市民など、持続可能な社会作りにかかわる様々な立場の人々が集い、この「ESDの10年」にどのような期待をし、何を実現したいと思っているかを語り合います。この10年を機会に、よりよい未来を創るための教育や学びの活動の環を広げていきましょう】(同推進会議)
基調講演では、これからの方向性を示すユネスコのバンコク事務所長シェルドン・シェーファー氏による「ESDの10年が目指すもの」と、池田香代子さんの「100人みんなが幸せに暮らせる村をつくろう」の講演があった。続いて、同推進会議阿部治代表理事による「2005年を実りあるスタートにするために」と、歌と語りの宅配便代表・磯田禎子による朗読が行われた。
その後のリレートーク「ESDの10年への提案」では、岡山市の萩原市長による「岡山市ESDのプロジェクト」(岡山市とユネスコの共催)の実践的取り組みや、(財)とよなか国際交流協会の榎井課長による豊中市での先進的取り組みが紹介された。
続いて、外務省からユネスコと協力して実施する計画、環境省から環境教育の実施計画、文部科学省からは手始めとして環境省と連携して実施する学校の環境教育などの計画について述べられた。また、経団連や読売新聞社、国会議員からもそれぞれの立場より意見が披露された。
2003年6月21日の「持続可能な開発のための教育の10年推進会議」(ESD-J)設立以来、市民・NGOが日本各地でネットワークづくりやESD地域ミーティングなど実施してきた。当日の午前には、同推進会議の地域ミーティングコーディネーター会議が開かれ、今後の具体的取り組みの検討が行われた。
日本では市民の動きが先行しているが、「国連持続可能な開発のための教育の10年」は、国連に対し日本政府が市民と提案した経緯があり、今後の政府や経済界の取り組みに期待したい。
未来へのまなびをはじめよう。
初出 2005/3/9 インターネット新聞『JanJan』
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