2004年12月11日、埼玉県東松山市の市民文化センターで、「持続可能な開発のための教育の10年さいたまミーティング『持続可能な社会を協働で築こう!』」(主催「第4回環境まちづくりフォーラム・埼玉」実行委員会持続可能な開発のための教育の10年推進プロジェクト 共催「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議(ESD-J))が開催された。
日本がサミットで提案し、国連決議により2005年から世界中で10年間行われる「持続可能な開発のための教育の10年」(ESD)の開始にあたって、各地の市民とESD-Jが地域ミーティングを開催している。
まず、ESD-Jの森良理事より“「持続可能な開発のための教育の10年」って?”というテーマで、解説や実例及びこれからの進め方などのレクチャーがあった。
次に、さいたまでの取り組み報告として、「地域で持続可能な社会を築こう」と題して、川口市民環境会議より、一日二酸化炭素削減活動として一日で2,577,361gの二酸化炭素を削減した「埼玉エコライフデー」の取り組みの報告と、東松山・環境市民の会と東松山市より、協働で行う環境活動と、「環境から福祉 ホタルから平和へ-足元からはじめるESD」の報告があった。
そして、「若者と持続可能な社会を築こう」と題して3組の報告があった。東京国際大学下羽ゼミナールより、フィリピンにおいて、韓国と現地の学生と地球市民になるための「問題解決型」現場体験プログラムに参加し、日本での産業廃棄物問題への取り組みの報告。彩の国学生ボランティアネットワークによる自主的な福祉ボランティアの活動と学生ネットワークについての報告。そして対話プロジェクトと自由の森学園高等学校イラク対話プロジェクト実行委員会の高校生より、バグダッドとテレビ電話で語り合い相互理解を深めた事例の報告があった。
それぞれの報告に対して活発な質疑があり、ESDの論議が深められた。
また、開発教育協会ユースのファシリテートにより参加者全員が5つのグループに分かれ、ある地域の地図をもとに「持続可能なまち」を作りあげるワークショップも行われた。
このESDさいたま地域ミーティングでは、参加者から「いろいろな世代や分野がつながることで、地域が良くなる可能性が広がるんですね。もっといろいろな分野の方とつながりたい」(学生)、「高校生や大学生も取り組んでいることに強く感心しました。日本の未来は明るい!」(社会人)などの感想が寄せられた。
今回のESDさいたま地域ミーティング「持続可能な社会を協働で築こう!」は、2005年2月6日に、今回と同様に東松山市において市民、環境団体などの協力により開催される「第4回環境まちづくりフォーラム・埼玉」と連携している。
日本が提案し、来年度から開始されるESDであるが、政府の方針は未だはっきりと見えてこない。その間にも、地球温暖化など「持続不可能な社会」が続いている。
しかし、市民・NPO、ESD-Jなどは、多様な活動や地域ミーティングを通して、市民と行政と企業、民間の協働によりESDの推進を行い、「持続可能な社会」を形成しようとしている。
初出 2004/12/14 インターネット新聞『JanJan』