持続可能な開発のための教育の10年推進会議(ESD-J)が主催する「“未来をつくる教育”をつくる-ESD-J全国ミーティング」が2006年2月5日に東京都のJICA国際総合研修所で開かれた。
また、国内外のESDに関するさまざまな取り組みを知るとともに、現在政府が作成に取り組んでいる「ESD国内実施計画」に対するインプットを検討する場、そして、ESD-Jのプロジェクトチーム(PT)活動を議論する場なども設けます。」同趣旨より
基調講演では、日本政府の取り組みとして文部科学省井上正幸国際統括官からこれまでの経緯と今後も「対話とパートナーシップ」によって「国連持続可能な開発のための教育の10年」をすすめていきたいとの説明があった。
その後の事例紹介では、シェルバンファーム副代表ジェン・シリロ氏が「アメリカ・米国バーモント州の取り組み」と東京杉並区のNPO法人スクール・アドバイス・ネットワーク生重幸恵氏と東京都の梶野光信氏による「学校と地域をつなぐしくみづくり」などの先進的取り組みが紹介された。
また、持続可能な開発のための教育の10年推進会議の事例紹介として北信越でお互いの活動を紹介しあい、連携する広域ネットワーク「地域の動きを生み出すネットワークづくり」について北信越ESDブロックミーティング伊藤通子氏から紹介があった。
ランチミーティングやESD関連機関、ESD-J会員団体による活動紹介ポスターセッションをはさみながら、「国内実施計画へのインプット内容」を環境省総合政策局環境教育推進室渋谷晃太郎室長から説明を受け質疑応答を行った。
これらの内容を受けて、持続可能な開発のための教育の10年推進会議の会員以外の多くの参加者を得て、分野別に2006年度の活動をつくる討議を行った。また、前日には、同推進会議のESD地域ミーティングコーディネーター会議が開かれ、今後の具体的取り組みの検討が行われた。
2003年6月の持続可能な開発のための教育の10年推進会議(ESD-J)設立以来、同会議は日本各地でネットワークづくりやESD地域ミーティングで実施し、国民に説明してきた。
ところが、「国連持続可能な開発のための教育の10年」は2005年開始であるのに、政府は2005年末に「国連持続可能な開発のための教育の10年」関係省庁連絡会議を設置し、政府の国内実施計画案へのハブリックコメントを今月3日から23日まで求めるということになっている。
私はこれまでに何回か指摘してきたが、「国連持続可能な開発のための教育の10年」の取り組みは日本では市民の動きが先行しており、国連に対し日本政府が市民と提案した経緯があり、国際実施計画の策定が遅れたなどの「言い訳」はあるにせよ、政府や経済界の取り組みが遅れていることは問題である。
「“未来をつくる教育をつくる”」には、政府も企業も「参加」して「対話とパートナーシップ」で行うことが必要ではないか。
初出 2006/2/7 インターネット新聞『JanJan』
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